
前回の記事の冒頭にも書きましたが、ダイアモンドは永遠の輝き、などと謳われることを
一度は見聞きしたことがあるのではないでしょうか?
でも、一体なにが永遠なの?と思うことがありませんか?
突き詰めてお話をしたら、永遠のものはないのかもしれません。
しかし、耐久性の高さや、時代が変わってもかわらない魅力など
様々な側面から、永遠という言葉と結びつけられてきたのかもしれません。
ダイアモンドの耐久性
ダイアモンドの耐久性の高さは、ダイアモンドが出来上がる過程に理由があるといわれています。
また、耐久性の要因には以下の3つの要素が組み合わさっています。
硬度
靭性
安定性
硬度
硬度とは、引っ搔きに対する宝石の表面の強さの度合いを表します。
宝石や鉱物の硬度を表すものは、モース硬度と言われています。
このモース硬度と言われているものは、モースという名の博士が定めたもので、
モースさんが10種類の鉱物を選び、数値を割り振っていったものです。
鉱物同士をすり合わせ、その際に出来たスクラッチのでき方を相対的に比べたものです。
10 ダイアモンド
9 コランダム
8 トパーズ
7 クォーツ
6 ムーンストーン
5 アパタイト
4 フルオライト
3 カルサイト
2 セレナイト
1 タルク
ただ、このモース硬度は基準として示されている「鉱物と鉱物の間」の硬度の差が一定ではありません。
ダイアモンドはコランダムと比較した場合、1しか差がありませんが、コランダムの何倍もの硬さを持っています。
上の表にあるように、ダイアモンドはモース硬度野中で一番硬いため
ジュエリーに使われる貴金属すべての中で、一番硬いことを意味しています。
そのため、指輪やネックレスなどの製品になった時に
ダイアモンドをしっかりと留めておらず、ゆるくなっている場合、どんどんと、留めている部分(爪)が磨耗していってしまいます。
靭性
衝撃による、割れや欠け、砕けに対する抵抗力の強さの度合いを表します。
ちょっと難しい話になりますが、なるべく難しい用語を省いて、わかりやすくご説明できるように頑張りますね!
ダイアモンドは上述した通り、非常に高い温度と圧力下で出来上がっているため
ある方向において、原子と原子が密集して結合しています。
原子間の結合によって密集した方向があると
その方向においてダイアモンドの靭性はより高くなります。
つまり、原子と原子の間の距離が近い場合、衝撃に対する強さが強くなります。
逆に、原子と原子の間の距離が離れている場合、衝撃に対して弱くなります。
この弱い方向を壁開面(へきかいめん)と言います。
「ダイアモンドに弱い部分もあるんだ!」と思ったかもしれません。
その通りなのです。
しかしこの壁開面というものがあるからこそ
ダイアモンドを綺麗にカットすることが出来るのです。
壁開面のない、とっても硬い靭性をもっていた場合
もしかしたらダイアモンドは綺麗にカットできずに
未だにラフライアモンド(原石のダイアモンド)のリングだった可能性もあります。
どうやってその壁開面を探すのか、というのは
原石の状態から結晶軸といわれるものを探し出し、そこを起点にカットしていくのですが
それはまた別の機会に書ければと思います。
また、この壁開面があるため、あまり乱暴にダイアモンドを扱ったりしてしまうと
運が悪いと、ある方向からの衝撃を受けた場合、ひび割れがある場合もあるかもしれませんのでご注意ください。
そこまで神経過敏にならなくてもいいかとは思いますが…。
安定性
熱や化学物質に対する抵抗力の強さの度合いを表します。
まず熱に関してですが、ダイアモンドは850°Cの温度で燃えます。
この温度に達する炎は、家庭用コンロなどでも出る場合があるのでお気をつけくださいね。
もしもダイアモンドが燃えてしまった場合
白くて曇った感じになり、一生懸命拭いてもとれない状態になると思います。
そうなった場合、ダイアモンドに輝きを取り戻す方法としては
再研磨するのが唯一の方法になります。
ダイアモンドのコンディションにもよりますが
基本的には、再研磨で失われる重量はわずかですし
通常m技術的にもそんなに難しくはありません。
もしも拭いて曇りを取ることができた場合
それは単なる汚れの可能性が大きいです。
化学物質について今のところ、私たちが知っている範囲ですが、いかなる酸にもやられません。
このように、硬度、靭性、安定性の3つが非常に高いところでまとまっているため、ダイアモンドは高耐久なのです。
そのため、長い時間を経てもその状態が保たれているため、美しさが保たれているのです、
もしも耐久性が低かった場合、色々な環境の変化などにより
表面が傷ついてしまったり、磨耗してしまったりします。
そうなると綺麗にカットしても、エッジのシャープさがなくなってしまうため、綺麗に反射しなくなってしまったりします。
半永久的に同じ状態を保っていられるということも
ダイアモンドは永遠の輝きである、といわれる要素のひとつであるということは
おわかりいただけたのではないでしょうか。
