ダイアモンドの4C「カラー」

今回からカラーについて、ご説明していきます。

研磨済みのダイアモンドの評価基準のひとつです。

色味といいますか、そのまま色と捉えていただければいいと思います。

あまりダイアモンドになじみのない方は、CMや広告の写真などでみるダイアモンドは

真っ白の状態のものが多いのではないでしょうか。

 

実際に真っ白、というか無色のものは希少性が高いと言われています。

そのような色味のものをDカラーなどと言います。

ローマ字でDから始まって、最後はZで終わります。

 

「あれ?Aからじゃないの?」

と思った方もいらっしゃるのでは?

その理由についても解説していこうと思います。

カラーグレーディング

いくつか前の記事で書いた、GIAという所が開発したもので

無色のダイアモンドをDとして、そこから少しづつ色がついていったものをE、F、G…

といった具合に定めていったものです。

通常の色の範囲で、無色のダイアモンドがグレードや価格決定の基礎になっています。

 

GIAが定めた様々な基準は、世界標準といったところでしょうか。

カラーグレーディングの表は以下のようになっています。

 

Dから右へ行くほど、色が濃くなります。

Z以降の色に関しても、もちろんあります。

それらについては、後述していきますのでご安心ください。

 

また、通常ダイアモンドの場合、色がついていくといった時についている色は

黄色、もしくは茶色が多いです。

上述した「通常の色の範囲」というのは

無色からライトイエローやライトブラウンというカラーの範囲です。

 

青やピンクといったものは極稀で、ほとんどないと考えていいです。

 

さて、色の濃度とは、言い換えれば「色濃度」です。

そのまんまですが、これがカラークレーディングをしていく際の要素になります。

 

色濃度は、明度と彩度の組み合わせで決定していきます。

色相、彩度、明度という概念は、デザインをかじっている人は分かりやすいかもしれません。

 

色相:赤や青といった色の基本的な色

彩度:色の強さや、強度。もしくは鮮やかさ

明度:色の明るさや暗さ

 

まず、色の彩度と明度を組み合わせた、色濃度からD〜Zなどを決めていき

色相で、ブラウンやイエロー、ブルーやピンクなどを決定していくと

分かりやすく理解できるかもしれません。

マスターストーン

マスターストーンというのは、色の判定をしていくときに、基準とする石です。

D〜Zまで存在しており、色はイエローのみとなっています。

このマスターストーンと比べて、カラーグレードを判定していきます。

 

ちなみに、ブラウンのものがないのは、色相で判定するのではなく

あくまでも、色濃度(彩度と明度)の判定をするからです。

 

マスターストーンを使う理由としては、

人の、色の記憶というものはかなり曖昧であり

また、環境によって見え方はかなり違ってきます。

そのため、基準となる石を必ず使います。

 

さらに、GIAノ場合は、複数人のグレーダーが色をチェックし

なおかつ、ダイアモンドを色々な角度から見比べて判定をしていきます。

 

やっかいなのが、各々のカラーグレードは範囲を示しているため

ふたつのグレードの境目あたりの色の場合、判断がむずかしいのです。

 

例えば、EかFの色のどちらかという場合

EとFのマスターストーンを使用して判断しようと試みます。

しかし、EとFの中間色に近い場合、EにすべきかFと判断すべきか

この判断を下さなければならないのです。

 

そのため、上述した複数人でグレードを決めるなどの方法を行っているわけです。

カラーの説明はこの辺りで、ここからは気分転換に

以前実際にあった、カラーにまつわるお話をしていきます。

 

数年前にお会いした方で、ダイアモンドの仕入れルートをロシアに持っているという方でした。

表参道ヒルズという施設で、A.O.Zでちょっとした展示会をしている時に、足を運んでくださいました。

 

確かに、ロシア産のダイアモンドはキレイなものが多いのです。

透明感があるというか…!

 

 

話を本題に戻します。

その方(仮にAさんとします)のお話を色々と伺っていると

 

Aさん「カクカクシカジカなわけで、最高品質のダイアモンドを仕入れられるんですよ!」

岩瀬「それはすごいですね〜」

Aさん「もし興味あれば言ってください。本当にいいものばっかりなので!

カラーも、D以上のものでAとかBとかCのものもありますから!」

岩瀬「???」

岩瀬「!!!!!」

 

その後の会話は、お茶を濁しておきました。

 

 

Dより上っていうことは、もう見えないんじゃないの?!

それ存在するの?!

 

‥‥今回は、このあたりで一度区切りたいと思います。

次回は、なぜカラーのグレードはDから始まるのか?などの話をしたいと思います。

Alex iwase